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何を思い立ったかいきなり学パロもどき。
夏休みの補習前。地理公民教師のサファイアと、化学教師のアメジストの只の雑談。
サファイアとアメジストは高校時代の同級生。
友人というにはやや殺伐とした2人が語る、どーでもいい実の無い会話。
嗚呼面倒臭い。おまけにクーラーガンガンな筈なのに蒸し暑い。
何が悲しくて華の夏休みに補習なんかしなきゃなんねぇんだ。
あんだけ俺は夏休みぐれぇ仕事から解放されたいから赤点取って補習させんなっつったのに!
いらいらいら。
愛する糖分を摂取したくても、前に食い過ぎた罰として校長に没収されている。
イライラ時の鉄分は、俺にとっては糖分なのに!あの野郎、いつか覚えてろ!
そんな余計な事を考えながら、職員室に篭って補習プリントを作っていた俺の後ろから、
軽快な足音と共に聞き慣れた声が上から降って来た。
「サファイア先生、イライラしてますねぇ?」
とても楽しげに、弾んだ愉快そうな声、それにプラスして小憎たらしい笑顔。
こんなにクソ暑い日なのに、お決まりの白い白衣をひらりと涼しげに翻している。
その正体は同期の同僚兼同窓生であるアメジストだった。一見保健室の教師を連想させる雰囲気とは違い、
担当教科が化学である事を始めとして、多分俺が知る奴で1番ギャップを背負っている奴だ。
―――なっぐりてぇな、この顔。
「……ジスト、とりあえず黙れ。そんで殴らせろ」
「駄目だなぁ、職場ではきちんと先生を付けないと駄目じゃないですか。
そんなんだから、周りから生徒扱いやれガキ扱いやれされるんですよ?」
にこにこにこ。
女生徒共には甘い笑顔が素敵!なんて騒がれているなんて俺は認めない。
こんなムカつく奴が、何故騒がれる…!?こんなにもウザくてムカつく奴なのに!
「…なーんてね。ま、今は俺とファイしかいないから別に気にしないけど」
じゃぁ最初っから注意すんな!つか普段も普通に名前で呼んでるじゃねぇか!
そう怒鳴ってやりたいも山々だったが、如何せんこの蒸し暑さと目の前のプリントがその気を殺ぐ。
何コイツ。その長袖の白衣は暑くねぇのか?あ、阿呆だから分かんねーのか。納得納得。
…じゃねぇんだよ暑いんだよ見てて!まぁ大よその理由は分かってるけどな!ああうぜぇ!!
「んな事どーでも良いからせめてその白衣脱げっての!暑苦しいんだよボケ!」
「きゃぁー、脱げってファイってばへーんたぁい」
「よぉし蹴るぞー、遠慮するな、手加減はしねぇからよ」
「やだなぁ、冗談じゃない」
クスクスと口元に手をやりながら静かに笑うアメジスト。
その辺の野郎みたいに大口開けて笑うなんて所、俺は見た事がない。
つか妙に女々しい。いつかそれを指摘した時に“まぁ無意識かなぁ”と軽く言われた事を覚えている。
どーでも良い事に考えを向けていた俺に対し、漸く笑いを引いたアメジストが笑みを浮かべたまま口を開く。
「脱いでも良いんだけどね、見えちゃうんだ」
「は?何が」
「何って項とかのキスマー」
「神聖な学校で阿呆な事口走るなボケェ!!」
予想はドンピシャ。だがまさかその言葉を素直に言うとは思わず俺は慌ててアメジストの口を強引に手で塞いだ。
ったく、神聖な学校で教師っつー曲がりなりにも公務員として働いている身の癖に、
なぁにちゃっかり遊んでいるんだか。見た目だけは純粋で屈託が無さ気なのに。
勿体無い、と思った事星の数、である。
「ぷはっ……、もぅ、何がって聞いてきたのはそっちでしょ」
「それを馬鹿素直に言う阿呆がいるか!」
「あ、名誉毀損罪」
「になるかボケ!」
名誉毀損罪はそんな軽くサラッと通るモンじゃねぇっての!
つかお前の名誉なんて元から堕落してんじゃねぇか!―――と言いたいのを抑える。俺ってば我慢の子!
「本当さぁ、学生時代に散々法律やら憲法やら条令なんていちいち覚えてられるかーって言ってた奴が、
まさかそれを教える立場になるなんてねぇ。ま、色々噂は聞いてるけどさ」
クスクスと何処か嫌味な笑みを浮かべながら、俺が作っていた補習プリントに目を向ける。
いやこっちとしてはおめェが化学教師なんざになる事の方がビックリなんだが?
おめェ、高校の時思いっきり文系を突っ走ってたのに、何がどうなって理系になったんだ!
「“サファ先生の授業って、こんなくだんねェ事なんで勉強しなきゃなんねぇんだって言いながら、
分かり易く授業してくれるから好きー!”やら、
“サファって糖分あげりゃ成績上げるチャンスくれるし、生徒な感じがするから接しやすい”やら、
色々と評判が良いみたいですよ?サファイアせ・ん・せ?」
「おまッ、それ校長に聞かれたら絶対お説教だからそんな堂々と言うんじゃねぇ!」
つかアイツらもッ!何でンな子供贔屓な感じで大人を敵に回すようなコメントを残すかなぁ!?
いや嬉しいけどさ!今度アイス奢ってやろうってそうじゃねぇ。良かった、2人きりでマジで良かった…!
よし、一旦この話題から逃げようそうしよう。悲しき哉、俺はアメジストに口論で勝った事はない…ッ。
このまま俺の分が悪い話題は俺の心臓の為にならん。只でさえ暑いっつーのに!
「つかおめェなんで此処にいんだよ」
「君と同じさ。こっちも赤点者が結構いてね。補習だよ補習」
やれやれと言わんばかりにオーバーに肩を竦める仕草を見せてくる。
まぁ、化学は学年が上がるにつれてワケ分からなくなるっつーしな。
俺の受け持ってるクラスでも、結構補習受講者が多かったような気がする。あくまで気が、だが。
「ま、俺の作る筈のプリントは何か他の先生が作ってくれるらしいし?俺は楽だけどね」
「おめェ、絶対なんかやったか言ったろ」
「おや、酷い言いよう」
あくまで否定しない辺り妙に素直で調子が狂う。つか他のセンセを利用すんな!
「さっきまでラルドの保健室で寝てたんだけどさ、ぬいぐるみも無しに入り浸るなって追い出された」
「ざまーみろ」
「本当に酷いなぁ」
そう言いながら、やっぱりクスクスと笑っている。何コイツ、笑い上戸?もしやM属性?
まぁンな事どーでもいいけど。
ちなみに、俺はさっきからダラダラと話しているだけのように見えるかもしれねぇけど、
俺はやる時はやる男だからな、しっかりプリント作成の手は怠らない。普段からそーしろって?無理。
俺は無言で立ち上がると、アメジストもその理由に気付いたのだろう、壁に掛かっている時計に目を遣る。
「あぁ、そろそろ14時か。午後の補習の時間だね」
「おめェもさっさと準備しろよ。ンな流暢にしてる暇あんのか?」
「俺は君と違って用意周到だからね」
「よし死ぬか」
「お断りするよ」
そんな言葉の応酬をしながら、2人揃って職員室から教室へと向かう。
クーラーすらない廊下は、クーラーが効いている職員室よりも遥かに暑かった。
あー、もう職員室が恋しくなってきた。暑い暑い暑い。クソ暑い。
「じゃ、俺は此処だから。せーぜー頑張ってくださいね、サファイア先生」
にっこりと化学実験室の前で立ち止まりながらヒラヒラと手を振って来る。
ちくしょ、コイツはクーラー完備の特別教室かよ!こっちは普通に教室だから扇風機しかねぇのに!
つか何で俺には特別教室の許可を下さなかったんだよ校長めッ……!!
「けっ、そっちこそせーぜー首筋のそれを頑張って隠してくれや、アメジストセーンセ」
実は、ひっそりと隠れて見えている首筋の赤薄い痕を指差しながら、
俺はアメジストが反論してくる前に自分の教室へと向かう。
今頃アイツは、恨めしげな顔をしてこっちを睨んでいるに違いない。嗚呼愉快だ。気分そーかい!
にしてもアメジスト相手なんかにあんな痕付ける奴がいるのかね。俺にゃサッパリ理解できんわ。
…うげぇ、想像したら何か気持ち悪くなってきた。今度会ったらとりあえず殴っておこう。はい決定。
「……覚えておきなよ、ファイ…!」
「むーり!」
そう言って俺は、自分の担当教室まで走って行く。
俺も今日は補習の後に用事があるからな、さっさと終わらせよ。
今日はアイスの特売日!ルビーの分も買わなきゃなんねーし、早く行かねぇと!
「サファ先生おそーい!」
「どーせ職員室で悠々と涼んでたんだろ!」
「うっせ!おめェ等の為に優しい優しい俺がプリント作ってやったんだから感謝しろ!」
プリントを配って、俺はチョークを握る。
さぁ、蝉の鳴き声をBGMにした補習の始まりだ。
夏休みの職員室
(にしても、ほんとファイとは下らない雑談しかしないよね)
(おめェがくだんねー話ばっかりするからだろーが)
(え、んじゃ俺が知ってるサファ情報とか言ってあげようか?例えば好きな人とか…)
(本当ごめんなさいそれだけは勘弁して下さい)
(パ○コの柚子風味ね)
(ちっくしょ……!!)
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コメント
1. 無題
学パロ想像以上の胸きゅんでした。この学校通いたいです。^p^
ええと、実はブログに保健の先生なエメラルドさん描いてしまいましたので、そのご報告です。
無許可で申し訳ありません。この間の本体会話がだいぶツボだったので…!
ご迷惑だったら消します。それでは、素敵なお話ゴチでした。><