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ゆめを見るユメを視る

某掲示板サイトでの我が家の阿呆共のどーでもいいお話。

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プレゼントを選びましょう―2

(プレゼント話その2。うっわギリギリ!←
 今回は火野・森山の2年生コンビと池草幼馴染コンビの会話文、東ヶ崎の番外編小話です。
 一応これで全員かな?思いの他前者2名が長くなりましたので自ずと全体的に長くなりました…!orz
 本当は来年出て来る新キャラもちらっと出したかったけど余裕が無かった。むねん。
 
 暇潰し程度に追記よりー!)

火野の場合

火野は悩んでいた。元々即断力が低く優柔不断な面があることはあるのだが、今回の悩みっぷりはその比ではなかった。
次第に近付いてくるクリスマスパーティーに向けて周囲の話題もそれに固定されてきている頃合い。元々プレゼント交換の為のプレゼント用意は義務付けられていた。だが今日の昼休み、クラスの友人達と交わした話題はそれとは別のプレゼントについて、だった。

好きな人に送るプレゼント。

そんな話題が出た瞬間、思わず心臓が大きく跳ねたのを感じた。本当に最近気が付いた恋心。中学1年生というまだ精神的にも未熟な時期に受けた心の傷、そしてそこからくる恋愛に対する恐怖感は未だ薄れていないと思い込んでいたけれど、彼への想いはそんな傷も優しく包むような―絆創膏のような、ふんわりとした優しい想いだと気付いたのは本当に最近。だからまだこの想いを火野は誰にも明かしていない。否、同じ部活で仲良くしてくれている女の子―おこがましいと本人は思っているので口にこそ出せないが―親友のように思っている少女に対してだけはきちんと打ち明けたいと思っているのだが、如何せん想い人と少女の距離感が常人よりも近いことを知っている為、尚一層羞恥心が勝ってしまい中々言い出せないでいる現状だった。

たった一つの高鳴りでぽわんとしていた火野を他所に、目の前ではぽんぽんと会話が進んでいく。元々のんびり屋である火野のペースを分かっているからこそで、皆慣れたものだった。今までは、火野はただ耳を傾けるだけだった。素直にそれを耳に入れ、嫌味のないさっぱりとした羨望の思いを含めた自分の言葉を意見として返す。基本的に受け身なのもある意味火野の特徴だった。しかし今は違う。友人の恋話を聞くたびに何かと自分と置き換えてしまう。まるで妄想癖のようなそれを火野自身最初は拒んでいたが、親戚の少女―呼雪の“恋したら妄想は必須アイテム!”といつぞやか高らかに口にしていたのを思い出す事で火野にしては半ば強引に開き直ることに成功したのだ。

(……プレゼント、)

ぽつ、と脳裏に浮かぶ1つの姿。何かあげたいな、と思っても全く以てセンスが良いとは思えない自分なのでどうしても勇気が出ない。そもそもどんな物をあげて良いのかも分からないのが本音だった。

「私はね、ネックウォーマー!寒がりだからさー」
「いーじゃんいーじゃん!私大き目の水筒にしたよ、運動部だからさ」

左右から友人の声が聞こえる。2人共彼氏の特徴に準じた物をプレゼントしていると知ると、想い人が部活に入っていないことは知っているので、特徴、というよりはそれに準じるような趣味は何だっただろうかと考えた。

(…お洒落で、優しくて、面倒見が良くて、色々なことに詳しくて…、)

そこでふと、前に想い人からとあるカクテルの話を聞いたことを思い出す。公言こそ全くしていないが、結構な乙女思考である火野もカクテルこそよく分からなくてもとても惹かれるような話だったことを覚えている。次いで思い出したのは文化祭。余りにも多忙でほぼキッチンに篭もりきりだったせいで想い人には文化祭中は会えなかったが(とはいえ後夜祭ではきちんと会えたのだが)、その時に喫茶店をしていた、と友人伝に聞いたことを思い出した。

(……、カフェエプロン、とか…?)

全てを聞いたことはないが、何かと幅広く扱っているイメージがあるので、色々な汚れ等に適用できそうなシンプルなカフェエプロン。それがぱっと思いついた火野の考えだった。持っていても可笑しくないとはいえ、珍しく火野は“何枚有っても困るものではない”とポジティブに考えることにした。しかし問題は次にあった。

(……、か、彼女でもなんでもないのにプレゼン、ト、って…!)

元来ネガティブな火野に、これ以上のポジティブ思考は無理だったようで。流石にそろそろ脳内がパンクしかけていた。ガタッとそれなりに勢いづけて立ち上がると、きょとんと火野を見遣る友人2名に慌てたように視線を少し彷徨わせてから、改めて向ける。

「ちょ、ちょっと友達の所行って来る…!!」

結果、迷いに迷い悩みに悩んだ結果、麓に下りる暇が無くなり手作りカフェエプロンを作ることになるのは、もう少し先の話だ。



新名くん←火野はカフェエプロン。本当は買うつもりだったけど上記の通り悩み過ぎて時間無くなって手作り。
大きめなポケットが特徴的な黒いシンプルな物で、隅の方に“N”って金糸の刺繍が入ってる。
家事に関してはハイスペックな火野なんで完成度は高い。悩んだ日数の半分以下の時間で完成。
最後の友達はまぁ…、うん(爆)勝手ながら個人的には瑠華ちゃんをイメージしてます…!ごめんなさい><
まぁ砂原でも森山でもとりあえず「いつもの礼代わりに送っとけ」みたいな後押し受けてれば良いな、と。



森山の場合

ぱち、しゅる、ぱちん。
1つの革紐のネックレスを完成させると、森山は片手にしていたペンチを適当に机上に放って大きく伸びをした。数時間寮内の自室の机に向かい、洋楽をBGMにアクセサリーを作っていたわけだが、今まで作ってきたどのアクセサリーよりも緊張したようにほっと森山は息を吐いた。そして既に冷め切っているカフェオレに手を伸ばすと、軽快なノック音が響いた。

「…?、はーぁい」
「いーおり、おれ、おーれ。入って良い?」
「てった?、開いてる」

ノック音の正体はてったと呼ばれた男―森山とは他クラスでありながら不思議な縁で仲が良くなった哲多だった。哲多はつい先日、彼女にプレゼントする為にと森山にアクセサリー作りを頼んだ男でもあり、今回はそのお陰でデートが上手くいったという報告と礼をしにわざわざ部屋に来たのだと説明した。

「ほー、良かったじゃん。つかわざわざ部屋に来なくてもメールで良いのにさ」
「ややっ、やっぱ祈織からのプレゼントが無かったらこうはいかなかったし!マジさんきゅ!」
「へーへー」
「…って、お?何、新作製作?へー、なんか祈織にしてはなんか珍しいデザインじゃない?」
「あ、…あー、…それは、」

哲多は目敏く机上のネックレスに気が付くと、触りこそしないものの興味深げにそのネックレスを見詰めた。その言葉通り、そのデザインは今森山がしているブレスレットやネックレス、ピアスなどどのアクセサリーとも少し傾倒が違う物だった。森山の身につけているアクセサリーは大体がごつごつとしており、シルバーを強調したり色があっても原色をメインにしたりと何かと派手で男らしさが強いものが多い。しかし今森山が完成させたのは温かみがあるオレンジに近い革紐に金色に近い黄色の花柄のメタルビーズを中心に、シンプルな作りではあるが全体的に丸みを持たせた女の子向けのものだ。

「…はっはーん、わーったぞ祈織、好きな子にでもあげるんだろ?」
「なっばっ、っ、は?、いやこれは頼まれたからで、」
「照れなくて良いさ、そーかそーか、ほぉー?」

森山がこのようなデザインを作るのは確かに珍しいが、あくまで“珍しい”だけだ。それこそ哲多のようにわざわざ森山に頼むケースも、森山を囲む友人の中にはそう珍しくも無い、しかし今回は、寧ろ哲多でなければ分からなかったかもしれない。
哲多は見たことがあった、というより同じクラスだから知っていた。基本的に友人優先である筈の祈織が一応はそれなりに交流がある筈の自分をあっさりと投げ出して、寧ろ邪魔者扱いしてまで優先する少女の存在を。当時はその言動の意味を自覚していなかったようだが―どうやら今の様子でいつのまにやら自覚しているらしいと哲多は気付いた。

「何、1個だけ?折角だからもう1個ぐらい作っちゃえよ。祈織なら別段面倒でもないだろ?」
「るっさいな…、」
「折角のクリスマスだぜ?あ、ブレスレッドとかは?」
「…、楽器とか使うみてーだから邪魔かなって」

今回のアクセサリー作りにネックレスを作ったのもそれが一因だった。森山自身は楽器をしていないのでよく分からないものの、知り合いの先輩に問いかけたが結果は一言“鬱陶しい”だった。その先輩自身は男であって楽器もエレクトーン等の鍵盤系だったので差異はかなりあるものの、いくらアーティスト等がみな付けているとはいえ少なくとも邪魔だと思ってしまう人がいることを知った。なら少しでも負担がないものを、と思って選んだのがネックレスだった。デザインも、彼女の好みこそよく知らないがそれなりに熟考したつもりである。文化祭時、白雪姫の姿をした彼女と遭遇しその後一緒に周ったが、対面時に褒めたら照れと一緒に困惑が垣間見えた。そのことから恐らく推測ではあるが、彼女は余りにも女の子女の子、といった物は苦手ではないのかと思った。だからこそ花柄を用いているとはいえあくまでワンポイントに押さえ、シンプルに纏めたのだ。

「耳も穴開いてるかわかんねーし、」
「んー…、あ、んじゃ髪飾りとか!」
「…髪飾り、」
「そーそっ、まぁおれもあんまり詳しくないけど…、女の子なら喜ぶんじゃね?」
「あー…、」

半ば上の空、といった様子で返事をすると、森山は目の前の棚から1つのスケッチブック、そして目の前のペン立てから鉛筆を取り出しシャッシャ、と軽快な音を立てながら描き始める。

「…何それ」
「何ってデザイン。流石に作ったことないモンなんて脳内イメージだけじゃ作れねーだろ」
「なるほど…!―ま、とにかくありがとな、祈織。おれはこの辺で退散するわ」
「おー」

やはり返事は上の空。しかし鉛筆を動かす手は軽やかで瞳も心なしか輝いている。きっとスタンドライトの明かりのせいだけではないだろう。哲多は小さく笑いながら森山の部屋を出た。その日森山の部屋は深夜遅くまで明かりが点いていたとか。



森山→西嶋ちゃんへのプレゼントは、前に約束していたアクセサリー(ネックレス)と更に髪飾り。
ネックレスは上記。髪飾りはヘアクリップにオレンジと黄のビーズで蝶柄。柄の割にシンプル。
そして森山の友人てった(哲多)。リア充だけど良い奴です(爆)そしてやっぱり優しいというか←
正直書くの超楽しかった。森山片思い可愛いなオイ!思春期め!年齢相応やったね!←←



草谷池本の場合(番外編/会話文)

「いーろーちゃんっ」
「…、何?宙渡」
「今年のプレゼントは何が良いっスか?」
「…またなわけ?」
「またって!良いじゃないですか、もう3年目だし」
「…史伝ものの小説」
「…やっぱそれっスか」
「何よ、文句あんの!?」
「いやいやいや!?全然ねーですけど!オレ選ぶの上手いっスからねー」
「…本当、アンタ気持ち悪いくらいに私が持っていない偉人伝を選んでくるわよね」
「気持ち悪いって…!、色ちゃんこそ、的確にオレが欲しいものくれるから嬉しいっスよ」
「…あっそ、」
「つかマジ、そろそろ色ちゃんも恋した方が良いですって。出遅れちゃいますよ?」
「うっさいわね!余計なお世話よ!つかアンタにだけは言われたくないわ!!」
「あ、でもちゃんと彼氏出来たらオレに言うんスよ?査定しますから」
「…は、査定?」
「そそっ、だって色ちゃんの彼氏ってことはー、オレの未来のお兄ちゃんなわけで!」
「なワケあるか!」
「ヒッド!オレら姉弟みたいなもんでしょー!」
「…ま、今は彼氏とか無いから。アンタは史伝ね」
「はぁい」


初めて出すかもしれない幼馴染コンビ。こんな感じです。多分本当は熊本弁で喋ってます(爆)
再会してから何だかんだで毎年プレゼント交換。文字通り姉弟みたいな仲です。草谷シスコン。
お互いに家族的な絶対的信頼感を持ってるから絶対に恋愛には発展しない。そんなコンビです。
こういうプレゼント交換とかは、例えお互いの恋愛が成就した後でも続くかなって思います。



東ヶ崎の場合(番外編)

「…ゆき、」

稽古が終わってお風呂上り。東ヶ崎はリビングを通ると、丁度映っていたテレビは夕方のニュース番組であり、ちょうど天気予報の時間帯だった。いつもなら天気は寝る前にインターネットで調べるのが常なのでスルーしている所なのだが、今回は珍しく足を止めた。その原因というのも。

「…北海道、雪降ったんだ…、」

テレビの画面には一面銀世界になっている北海道のとある町の姿。今まで全く気にも留めてこなかった光景だが、今ではやけに煌びやかな世界に見える。きっとそれは、文化祭で出遭った少年が北海道の人間だと知ったからだろう。箱根にも雪は降るといえば降る。しかしそれは大体が年明けだし、更にここまで白銀の世界に染まることはない。今までなら変に交通にストップがかかっても困るからと思っていたことだが、今ではそれが少し残念に思える。少しでも彼と同じ世界を共有してみたいのに。

カレンダーがさすのは、まだ11月の半ば。きっとまた彼に会えるのは早くても年が明けてからだ。それが酷く待ち遠しい。鴻上高等学校は雪が結構積もると聞いた。もしかしたら彼はもう雪なんて飽きてしまったかもしれないが、そこは付き合って貰うとして。雪合戦やかまくら作り、雪だるま作り―体験した事がない雪遊び。今は未だ、北海道に行くことはできないから。だからより身近な、実現が出来そうな妄想に思いを馳せた。

「己染、食事ですよ」
「はい、今行きます」

また会えるまで、あともう少し。それまでに雪よりも綺麗で、凛とした自分になれたらと―そんな決意を胸にしまい込んで、己染は白銀を映すテレビ画面を消した。



番外編ってことで、時系列的にはちょっと前だけど文化祭の割とすぐ後の東ヶ崎。
文化祭を機にやけに北海道が気になるようになります。そんな彼は毎日学校お稽古の繰り返し。
どんどんと引き締まっていくけれど、文化祭の時を思い出すときだけ、ちょっとだけふにゃってする。
でもそれに気付く人はいません。だって気付かれたらそこで自分を偽りきれていないことになるから。



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