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@雨の日
雨の日は好きじゃない。だって外で踊れないし。遊べないし。体育の授業も外じゃなくなっちゃうし。びちゃびちゃに濡れちゃうし。僕が好きなものがぜーんぶなくなっちゃうんだもん!室内でやればいいって言う人もいるだろうけど、やっぱり外が1番良いよ!ぽかぽかの太陽の下で踊るのは凄く気持ちが良い!
…あーあ、早く晴れないかなぁ。
「ユイちゃん、雨ってつまんないよ」
「そう?俺は嫌いじゃないけど」
「それは物好きの意見ってやつだよぉ」
ぽたぽた、なんて可愛いものじゃないくて、ぼたぼたと凄い勢いで雨がユイちゃんの部屋の窓を叩く。ぼーっとそれを眺めている僕と、多分楽譜に視線を落としてるユイちゃん。お互いの視線が絡むことはないけれど、確かに話を聞いてくれているのが分かる。まぁ、勘だけど。普段ならすぐに出て行けって言ってくるのに、今日は何も言わずに部屋に居させてくれる。まあ勝手に普段も居座るんだけど。でも普段はやんわり流される筈の話も、今日ばかりは聞き流さないでくれるのは素直に嬉しい。これって雨の日効果なのかな?
話を戻して。ユイちゃんが雨を好きっていうのは分からない。だって雨ってつまんない。僕が好きな物、全部持って行っちゃう。ちょっと忌々しくなって、ジィッと雨粒を睨んでみたけど効果なんてあるわけなくて。僕の気持ちとは裏腹に、ばちばちと窓を叩く。むう。
いつのまにか視線を僕に向けていたらしいユイちゃんは、首をこてんと傾けながら口を開く。あ、やな予感。
「雨の日ならお前は静かだし、何かを壊すこともないし、騒ぎを起こす事もないからね」
「何それひっどい!」
即座に反応して振り向いた僕を見て、ユイちゃんは楽しそうに笑った。
「それに、偶には2人でのんびりも悪くないだろ?」
続いた言葉を聞いて、ちょっと黙って、頷いた。だって素直に共感するってなんだかちょっと悔しいじゃん!…でも、ちょっとだけ雨が好きになれそうな気がした。僕って単純!
(砂原兄妹)
@響く声
「ねえくーちゃん、パソコンが好きなのも分かるけど、偶には休憩しないと目悪くなっちゃうよ?」
「……うっせぇな」
「もう!またそんな言い方する!」
呆れたような俺の言葉に、ぷんすかと怒った素振りを見せる笑風。なんかぐだぐだと色々言ってるけど、全部聞いてるとキリが無いから適当に聞き流す。それに気付いているのかいないのか、笑風は睡眠時間がどーだの、規則正しい生活がどーだのって説教を垂れ流してる。お前は俺のお袋か。
本当なら、もう今すぐにでも出て行って貰いたいのだが、生憎俺は笑風をそこまで邪険に扱う気が無いというか。扱おうと思っても、ほにゃっとした雰囲気を見るとどうでもよくなるというか。そこまで俺の気に障らないというか。とりあえず、我ながら色々と珍しい対し方をしてるなぁ、とは思う。何なんだ。詠海が説教しに来るとすぐにイラッと来て即行追い出すと決意すんのに。まぁ、それを分かってて詠海も自分が来るんじゃなくて笑風を寄越すんだろうけど。
多分。仮説の話だけど、俺は笑風の女子特有のキンキンとした部分がない、穏やかな声が好きなんだと思う。のんびりとした性格をしてるから、話すペースも速くなくてのんびりとしたそれだし、お世辞にもその声は高いとはいえない。まるで丸い性格を出したような、丸い声な感じ。この形容伝わるだろうか。まあいいけど。
今だって怒ったような物言いだけど、その裏の心配を俺は嫌という程分かっている。というか、笑風は優しすぎるから。ここでこいつを否定したら、いけないような気がするのも追い出せない理由の1つなのかもしれない。よく分からん。まぁ、とりあえず。
「ねえ、くーちゃんっ。聞いてる?そろそろ私も怒るんだからねっ」
「あーはいはい。聞いてますよ」
若干頬を膨らせ始めた笑風の話に、ちょっとだけ耳を傾けてやろうと思う。
(これが俺なりの、最大の譲歩)
(空鳴と笑風)
@Live your life
「ねーエミカぁ」
「ん?なぁに、祈織くん」
ぎゅうっとエミカに抱きついてみる。俺は色んな人にハグしてきたけど、エミカは女の子の中ではかなり薄いっていうか、柔らかくないっていうか。あんまり女の子女の子!って感じはしない。でもふわりと香るシャンプーの匂いは紛れもなく女の子で、それが何故だかくすぐったい。それに気付いてか、いないのか。ぽんぽん、と軽く頭を撫でてくれる。うう、きもちい。誰にでもすんのかな。…するんだろーな。エミカは誰にでも優しいから。
…誰にでも?
「エミカはこんな人と生涯を共にしたい!…みたいな人。いる?」
「……へ?」
「エミカって絶対良いお嫁さんになれると思うんだよなぁ」
「え、え?、あの、祈織くん?」
唐突な俺の質問に戸惑いを隠せていない様子のエミカだけど、構わずに俺は続けた。
「優しいし料理上手だし家事出来るし、スタイルー…もまぁ胸除いて良いし?」
「ちょ、」
「あ、つか絶対にエミカって尽くす系だよなー。アレだよ、典型的日本のお母さんみたいなサ」
「あのー…?」
そうだ、エミカってお母さんみたいなんだ!まぁ、俺の母親は早く死んで欲しいカスみたいな女だから、正しく言うと俺の思う理想のお母さん。あ、マジでエミカぴったりかも。俺の理想ドストライク。そうだそうだ、考えてみると常日頃からエミカって母性オーラだしまくりじゃね?だから俺もついつい甘えちゃうんだよね。
「そーいやいっつもエミカって皆の心配ばっかしてるよなー、胃薬足りてる?」
「別に使ってな、」
「偶にはさぁ、自分に目を向けても良いと思うわけだよ!俺は!」
「はぁ、」
それこそ、エミカだって女の子だし、きっといつかは結婚しちゃう。うわ、何ソレすっげー寂しくね?でも、ここまで消極的なエミカが結婚まで行き着くのかな?つかエミカは自分を卑下し過ぎなんだよなー。もっと広く世界を見れば良いのに!あ、でも逆に。そんなエミカが辿り着く結婚って、確実に、エミカの意志が入ってる、んだよな、きっと。いつもみたいに流されないで、きちんと決めて結婚するんだろう。当たり前だけど、それがエミカなら。
「結婚式には絶対呼べよな!」
「え、なんで終着点がそうなったの?」
「あ、でも暫くはダメ。ダメだから。今はエミカは俺の母ちゃんみたいなもんだもん。息子は許しません!」
「…?、よく分かんないけど、なんだか嬉しいな」
「んにゃ、俺も!」
いつも人に合わせてばかりの君が、自分で選び取った数少ないものの1つぐらいは見届けたいじゃないか!
(笑風と祈織)
@自転車の二人乗り
「赤プリンせんぱぁい!ほらほらっ、もっと早く漕いでよ!」
「うっせェな、ばあか!俺だって頑張ってるの!っていうか呼雪が痩せれば良いと思うんだけど!」
「うっわ、ひどいひどい!レディに言う言葉じゃないよ!」
「レディの綴りも書けないようなおばかちんがそんな言葉使うんじゃありませんー。ってゆーか疲れた。ほら交代しよ、交代」
「やーだよ!赤プリン先輩がじゃんけんに負けたんだから。ていうか元は赤プリン先輩が“ちょっとチャリで山下ってみね?”とか誘ってきたんじゃん!てゆーかすっかり夕方だよもう!」
「あーはいはいそーでしたね。ちっくしょ。あー、なんで行きでじゃんけんに勝っちゃったのかなぁ。俺ってばツイてね」
「へっへー、行きはほとんど下り道だったから楽だったなぁ」
「……こんにゃろ。落としてやる!」
「ぎゃーッ!!落ちるおーちーるー!!卑怯だよ赤プリン先輩!」
「つかその呼び方止めてくれない?すんげーばかっぽい」
「えー?だって先輩の頭って赤プリンじゃん!上は黒くて下は赤くて!プリンみたい!」
「せめてさぁ、メッシュって呼んでくれない?」
「赤プリン先輩!」
「……はぁ。もうそれでいいから変わって。俺もう疲れた。死んじゃう」
「えー?、しょーがないなぁ。じゃぁじゃんけんね!」
「よっしゃ、負けん。ってうわわわわ!!待って止まるにしてもバランス!やばい坂道の途中やばいって!」
「うわあああ!?危ない危ない!転ぶ!落ちる!たーおーれーるー!!」
「ちくしょう頑張れ俺の脚!つかこれじゃじゃんけんできねーし!」
(呼雪と祈織)
@本心に気付く
(私は仕事に生きるって決めたの!)
AM.08:12 下駄箱にて
「……帰る」
「え!?なんで!?折角学校出て来たのに!」
「太陽が眩しい」
「引き篭もってるからだよっ、そーだ中庭、中庭に行こう?」
「……なんで」
「なんでも!いーから行こ!」
「嫌だ」
「もう!くーちゃんを待ってる人がいるかもしれないよ?」
「……はあ?」
「ほーらっ!…あ、池本先生、こんにちは」
「こんにちは。水樹、アンタ偶には火野の言う事も聞いてやりなさい」
「………、」
「ほら、池本先生もこう言ってるんだから観念しなさいっ」
「………分かったよ」
(…火野、何か企んでる顔してたわね。素直だから丸バレだわ。水樹はそれに気付いてたのかしら)
PM.16:17 鴻上学園食堂にて
「おーしーえーてーよー!」
「嫌だね」
「そーだそーだ、俺とチユイ先輩の仲じゃんか」
「どんな仲が是非お伺いを立てたいんだけど?」
「いいじゃん減るもんじゃないんだから教えてってば!」
「ケチぃ男はすぐ嫌われちゃうと思うぜ?」
「やっかましいなぁ……、あ、池本先生。相変わらず小さいですね」
「もー!!誰なのさ!ユイちゃんの彼女!!…あっ、イケちゃーん!」
「センセ、やっぱケチな男ってやだよな?」
「アンタ達、あんまり食堂のド真ん中でぎゃーぎゃー騒ぐのは止めなさい。あと砂原兄、覚えてなさい!」
(あと2人も。砂原兄の照れ隠しって気付いてながら捲し立てるなんて厄介な奴らだわ)
PM.20:59 鴻上学園教師寮内にて
(あーあ、生徒って気が楽で良いわね)
(いっちょまえに青春なんて謳歌しちゃって)
(…ま、私には関係ないけど!)
(……関係、ないんだから)
(~~~~~~ッ、関係ない、ないっ!さー、丸付けしちゃいましょ!)
(色絆と生徒達)
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