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ゆめを見るユメを視る

某掲示板サイトでの我が家の阿呆共のどーでもいいお話。

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狂犬ふたり、

折角発掘したのでぽいちょシリーズその2.
記事作成日が脅威の2010年でした\(^o^)/
厨二感大増量な上文章稚拙と言いたいのに今と大して変わらない事実がつらい^q^

アンバーとサファイアがきゃっきゃうふふしてるだけの小咄です。

  狂って狂って狂って狂って、ああ狂ってしまえば何て幸せなんだろう!
こんなどうでもいい柵なんか飛び越えてしまえるのに!

どうして俺は狂ってしまう事が出来ないんだろうか!






しんっ…と深く静まった夜。ぼんやりと月から指して来る光だけが薄暗い路地裏を照らしていた。不気味、だけどどこか幻想的な雰囲気が場を包み込む中、響く音は滴る音。

男の足下には、赤い水溜まりと荒い息遣い。

「………ッ、」

少し湿ったような、血腥い臭いが充満していて噎せ返りそうだった。気持ち悪い、そう思う反面、男はその臭いを嗅ぎ静かに高揚感を覚えてもいた。

黒い日本刀の切っ先から滴る血は、何処までも黒ずんでいて何処までも美しかった。月光に反射して輝く血溜まり。ぽたり、と血が落ちて、溜まりが少しだけ揺れる。男はそれをただ真っすぐ見詰めていた。まるで他の物を直視したくないと言わんばかりに。

少しだけ時間が経って、男は何も無かった心で数十分前を想起する。自分が義妹から仕事を引き受け、この路地の裏に溜まっていた武具バイヤーを見つけ、自分に向けて銃やナイフを向けて来た。…そこで、男の記憶はプッツリと途切れていた。

(…また、やっちまった)

漸く上げた視線から眼球に映り込んで来たのは、惨状。屍の山。大きく胸元を切り裂かれた胴体。まるでゴミのように投げ出された捥げた腕や足。五体満足の遺体の方が少ないのかもしれない。そしてペンキを撒いたような。悲劇が起こったかのようなその景色は、男の眼球を通り抜けて脳に直接刺激を叩き付ける。男の脳内で、カメラのシャッター音が響いた気がした。まるでそれを鮮明に焼き付けようと。

(あ、やば)

また、あの感覚。男は記憶が途切れる寸前と同じ感覚に身震いした。これはあの高揚感が理由だろうか。どうにかわき上がって来る何を押さえつけようと、男は日本刀を鞘に納めた。


その時。

「よおーっすサファイアちゃん?お元気してるう?」

場に似合わない、明るい声が響いた。何てタイミングが悪い事だ。男…サファイアは重苦しい思いを吐き出すように息を吐く。自分の名をとても楽しげに呼んだ、目に痛いルックスをした男…アンバーは、ニヤッと嫌な笑みを携えてサファイアの下へスキップで近付いていく。その途中にある腕や足を踏みつけ、近付いて来るその音はぐちゃりと嫌なもので。サファイアは舌打つ。

「おめェに弔いの気っつーのはないのかね?」
「アッハ!サファイアちゃんには言われたくねーなあその言葉!」

一体何が楽しいのか、アンバーはケタケタと楽しそうに笑い声を立てる。これが普段のサファイアだったら、同じようなテンションで対応しただろう。

しかし今回は、余りにも間が悪過ぎた。

「…アンバー、俺さぁ、今めっちゃテンション低いんだわ。先に帰れ」
「そんなの知ってるぜえ?だって俺はそれを見計らって此処に来たんだからなあ!えっへ!」

俺っておちゃめさん!と後に続けたアンバーは、きょろっと辺りを見渡す。その惨たらしい惨状に、ニヤリと引き締めたと思えば満足そうにゆるりと口元に弧を描いた。サファイアは帰って来た返答に苛立を隠しきれず、無意識に刀を収めたばかりの鞘に手をかける。それに気付いたアンバーは、ぶんぶんと胸の前で両手を振りながら慌てた様子もなく口を開く。

「おおーっとお!ちょーっと気が早いぜサファイアちゃん!俺はさ、手前と話に来たのさ」
「……話?」
「そ!話と言っても、いつもの面白可笑しいお喋りじゃねえよ?“話”さ。
いつもの手前と話すのも楽しいんだけどよお、俺、話してみてえの。“狂った”お前とさあ!」

訝しげな視線を相手にぶつけていたサファイアは、大きくその青い瞳を見開いた———コイツは一体、何を言っている?

普段ならサラリと流す事が出来ただろう。しかし今のサファイアには、痛くその言葉が響いた。考えるより先に何の事か問い詰めようとしたサファイアは頭が真っ白になるのを感じた。

「俺さあ、もっともおおっと楽しむ為に、色々調べたんだわ、ほんっとに色々さあ!手前の事だけじゃねえぜえ?俺が“お友達”になった奴の事はだーいたい調べたワケ。でもやっぱ皆裏の人間なだけあんなあ、一筋縄じゃあ全然わっかんねえ!ああ愉快!過去の一つ握って揺すぶる事すら出来やしねえんだもんなあ、ああすげえよ本当に!手前の事もサッパリ分かんなかった!知ってそうな奴…まあルビーちゃんとか?黙りだしよお!本当にわっかんねー事ばっかりだなあ手前は!すっげーシンプルで単純そうな奴だっつーのに!」

くるくる、くるくると。まるで1人で喜劇を演じているかのようにアンバーは語る、語る、語る。どこで息継ぎしているのか、そんな事はさして気にならない程に楽しげに言葉を並べて行く。サファイアは表情を変えず、ただアンバーの言葉に耳を傾けているだけだった。それがアンバーには、嫌に楽しかった。

「でも!そんな手前でも見てれば分かる事があるもんさあ。糖分廃人、シスコン、負けず嫌い、たけえ所が好き、サボり魔、」

アンバーはわざとらしく指を折ってサファイアの特徴を並べて行く。途中首を捻るような所もあったが、それでもサファイアは口を開かなかった。

「だが俺は気付いちまった!気付かない方が手前の為だったかもしれねえのに!本当すまねえ!」

すまねえ、と謝罪の言葉を口にするアンバーの表情は楽しげに歪んでいて、無性にサファイアを腹立たせた———気付かない方が俺の為ってなんだ?

相手の次の言葉が全く予想出来ないモヤモヤを、サファイアは懐からロリポップキャンディを取り出し口に含む事で落ち着けた。そして普段のサファイアを知る者なら驚く程の鋭い無言の訴えを込めた瞳をアンバーに突きつけた。

「手前はあそこ…chessの中でもトップクラスのぶっ壊れてて狂った奴って事さあ!」

瞬間。
アンバーの少し控えめな喉仏に黒い切っ先が微かに触れ、留まった。3メートル程離れた位置にいた筈のサファイアがいつの間にかアンバーの懐辺りまで飛び込んで来ていたのだ。下手したら死んでたかもな、と流石のアンバーも苦笑の中に冷や汗を流すと、肝を冷やした。しかしそれに気付いたと同時に、鼓動が大きく跳ねた。とても楽しそうに、リズミカルに。

(来た来た来たああああ!!)
「おめェ、言いたい事はそれだけか?そんなに死にてえんなら殺してやるよ」
「アヒャッ、まあ落ち着けよサファイアちゃん!でも会えて嬉しいぜえサファイアちゃんよお!」

——嗚呼やっと会えた!狂!——
どんどん高くなって行くアンバーの鼓動と比例するようにサファイアの瞳は輝いていく。お菓子を貰って喜ぶ時の輝きとは違う、まるで豹が得物を見つけた時のような鋭い輝き。その瞳を見てアンバーはどんどんと高揚感を覚えて行く。仄かに顔が赤らんで行く程に。

「何度も言ったろお?俺ァ狂ったモノとぶっ壊れたモノを愛してるってよお!だから手前の事も愛してんだぜえ?サファイアちゃん!」


「おや参った、こりゃもう完璧に意識イッちゃってるねえ!ああ怖い怖いってかあ!?」


 サ ァ   、  狂 イ   マシ  ョ ウ    ?
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