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ゆめを見るユメを視る

某掲示板サイトでの我が家の阿呆共のどーでもいいお話。

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赤短文

 
(ブログ記事を色々と整理していたらルビー小咄を発掘したので
 もったいない精神からぽい。パールも書こうとしてたっぽいのですが
 題しか書いてなかったのでカット(笑)





□赤の安寧

本当に何気ない所で、ルビーはどうしても誰かに縋りたくなる時がある。

ルビーは静寂を好んだが退屈は嫌った。否、嫌ったというと多少の御幣が生じてしまうが、兎に角彼女は退屈を好んではいなかった。そもそも毎日の生活が仕事で埋め尽くされている為、退屈だなんて感じる暇など無い。そんな多忙に身を置いていると、時に同僚が気を遣い休みを作ってくれる。その時はとても有り難いと思うのに、いざ何も無い1日へと放り込まれると、ルビーは途端に何をすれば良いのか分からず、まるで路頭に迷った迷子のように妙な焦りが生じてしまうのだ。

頭の中ではきちんと分かっているのだ。そのような日は普段読めずに自室に積み上げられていく本を消化するだとか、身体をきちんと休めるに絶好な日だと。それでも競り上がるような不安はルビーをとある部屋へと導こうとする。普段理性的なルビーは、感情が身体を制御する感覚に戸惑ってしまう。駄目だと頭で身体に警告音を鳴らした所で足はまるでそれを無視し歩みを続ける。そうしてやって来た場所は、酷く慣れた部屋へと続く扉の前だった。

(………、どうしましょう)

部屋の主はこの屋敷の人間を束ねる人物であり、同時に自身が主として仰ぐ唯一絶対の人物。仕事で毎日数回は通う部屋だが、今回ばかりは私情しかない。普段は快活なノック音を躊躇わないで響かせるというのに、どうもその為に手は上がらなかった。ここまでくると、ルビー自身も自身の感情の意味を理解していた。ただ単純に、声が聞きたいだけなのだ。業務的な言葉ではなく、自分自身に真っ直ぐに響く言葉が欲しい。普段は忙殺される感情が、退屈という時間を得たことで騒ぎ始めている。こうして迷っている暇があるならば突撃してしまえば良いのに、ときっと通り過ぎる誰かがいたなら思うのだろう。

(…仕事中だったら、……やっぱり止めておきましょう)

散々悩んだ挙句に、くるりとその場から踵を返そうとした瞬間、部屋の奥から声が響いた。
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