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ゆめを見るユメを視る

某掲示板サイトでの我が家の阿呆共のどーでもいいお話。

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昼下がりのクエスチョン

(水樹と火野。火野視点。
ちょっとした水樹の変化に火野が気付く話。ほとんどが火野の独白だけど←
火野は友達の為なら普段の気弱さを押し殺して、人の為に力を発揮できる子です。多分←

何回か“よーちゃん”って名前が出て来ますが水樹の同い年の姉です。NOT双子。
名前は詠海(よみ)。水樹とは逆のお人好しでお洒落や外出好きな、でもやっぱりツンデレ←
本当はサブにしようと思ったんだけど、これ以上血縁とか増えても面倒だと思ってお蔵入りに(爆)

水樹はこの話で初めて瑠華ちゃんと火野に接点がある事を知ります。
彼が何を思ってこんな事を問いかけたのかは今考えてる別の話で書ければ良いなぁって思ってる。
だからちょっとこれだけ読むと意味が分かんない可能性が(汗)自己満足ですごめんなさい!

蜜樹ちゃん宅の瑠華ちゃんの名前をお借りしています。 
許可は得てるけどこれ読んでやっぱりNGだったら言って下さいまし><)


「……えみ、お前、“るか”って女、知ってるか」



このくーちゃんの発言は、私にかなり大きいショックを与えるに十分な一言だった。




―――



ことの起こりは数分前。私がくーちゃんに頼まれて作っていた栄養ドリンクを渡しに部屋に来た事が始まりだと思う。くーちゃんは身体が余り強くないくせに、人一倍不規則な生活を送っている。パソコンに夢中になって晩御飯を抜く事だって専ら。そこで見かねた私が、少しでも身体の調子を整えられるように、って野菜中心の栄養ドリンクを3日に1回作って持ってくるようになっていた。まぁ、これもくーちゃんから頼んできたんじゃなくて、くーちゃんの双子じゃない同い年のお姉さんであるよーちゃんからの頼みだったんだけど。

普段は渡して、飲んだのを確認したらすぐ部屋に戻っていた。だってすぐにくーちゃんはパソコンに戻っちゃうし、そうしたら私が部屋にいる理由もない。今日も今日とて、くーちゃんが飲み干したのを見て、スクイズボトルを受け取る。普段ならここで私が“それじゃ戻るね、夜更かしし過ぎちゃ駄目だよ”って言って終わるんだけど、今回はそれを言う前にくーちゃんが口を開いた、のが、さっきの言葉。

言葉を聞いた私は思わず硬直してしまった。まるで時間が止まったような、ショックに包まれたような、なんとも言えない感覚。だってあの、あのくーちゃんがまるで探るように人の名前を出す事なんて有り得ないに等しい事だったから。それも、出てきた名前は私にとっても近しい人のそれと同じだし。少し間を空けて私が硬直している事に気付いたくーちゃんが声を掛けてきた。

「……えみ。…おい、えみ、聞いてんの」
「え!、あ、うん、聞いてたよ」
「……あっそ。で?」

で、って言われても。“るか”って子といったら私には1人しか思い当たらない。私と同い年で、同じ部活で。こんな私にも明るく接してくれる可愛らしい女の子。

「……姫月瑠華ちゃんの事かな?」
「!、…多分、それ」

それって…、いや、でもまぁくーちゃんにしては良い方だと思う。だって普段人の名前すらロクに憶えないんだから。きっとそれこそ、両手両足の指全部使って間に合うくらいの人しか憶えてないと思う。狭すぎる交友関係に、私もよーちゃんも悩まされる事が多いから。うん、前向きに捉えよう。

でもまさか、あの瑠華ちゃんとくーちゃんの間で接点があるなんて、って思った所でふと思い出した。前にくーちゃんが倒れた日、偶々3年生の階で瑠華ちゃんに会って話したこと。そして内容を。あの後もよく瑠華ちゃんとは話すけれど、あの時のショックは相当だったからもうそれは褪せること無く鮮明に覚えていた。瑠華ちゃんが私以外の人にその事を話しているのかは知らないけど、少なくとも今の所“くーちゃんに名前を憶えられてる人”だと私だけだと思う。要するに、2人の架け橋になれる可能性があるのも私ぐらいって事で!…いや、恋愛なんてまるでした事がない私が架け橋になったら余計面倒になっちゃうかも。やっぱり、協力、ぐらいに押さえようって内心小さく決意してみたり。

(でもこれはチャンス、なのかな?)

これは私個人の感情だけど。私はくーちゃんが瑠華ちゃんの想いに応えてあげて欲しいって思ってる。だって瑠華ちゃんは私の大事なお友達だし、それに絶対、絶対絶対にくーちゃんには勿体無さ過ぎる人だと思う。何が切欠だったのかは知らないけど、こんなに人嫌いなくーちゃんを想ってくれる人なんてそう現れる事はない。もしかしたらこれが最後かも分からない。第一、瑠華ちゃんが悲しむ顔は見たくないっていうのが本音。

それに、くーちゃんもくーちゃんで、これを切欠にもっと世間に目を向けてくれたら、っていう思いもある。如何せんくーちゃんは周りを見なさすぎというか、本当に世間に興味がないから。でも、私にはくーちゃんを電波中毒から脱出させる術はない。でもきっと、瑠華ちゃんならくーちゃんを変えることが出来るかもしれない、っていうのは、“くーちゃんが名前を覚えている”ことから簡単に想像する事が出来る。くーちゃんに名前を憶えさせるって結構な重労働だったろうに。きっと何回も何回も教えてあげたんだろうな。会う回数も重ねて、だからくーちゃんは瑠華ちゃんの名前を覚えてた。実はこれは、かなり凄い事だったりするんだよ?

「知ってるも何も、同じ部活だし」
「……は、」
「クラスは違うんだけど…、よくお話はするかな」
「…お前が、“お友達”って言えるレベルって事、か?」
「まぁ、そーなるかな」

こくん、って私が頷いてみせるとくーちゃんは前髪の奥に潜む瞳を揺らがせたように見えた。どういう意味で揺らいだのかは分からないけど。相変わらず伸ばしっ放しの前髪のせいでよく表情は分からないけど何か悩んでいるように見える。うーん、でもやっぱり鈍い私には分からない。もしよーちゃんや、ユイくんだったら分かったのかもしれない。あの2人は何かと鋭いから。

「くーちゃん」
「………何、」
「瑠華ちゃんってね、良い子だよ」
「………、変な奴だろ」
「そんな言い方しないの」

うん、否定はしなかった。少なくともこれは、くーちゃんが瑠華ちゃんに対して嫌悪感は持っていない証拠になる。前にやたらと嫌われていないか気にしていたように見えたから、私もちょっとホッとした。余り首突っ込むと余計なお世話になっちゃうかもしれないけれど、これぐらいは教えてあげても罰は当たらないよね?

「…何ニヤニヤしてんだよ」
「え、そうかな?ふふっ、なんでもないよ」
「……?、」
「そろそろ戻るね、あんまりパソコンばっかりやっちゃ駄目だよ」
「うるっさい」

私の小言にふいっとくーちゃんは視線をパソコンに戻して、カタカタ何かを打ち始める。くーちゃんがこんな状態になったら、本格的に私は退散。部屋を出て扉を閉めると、頑張って引き締めていた口元が自然と緩んでしまう。まさかくーちゃんに、こんなラブコメみたいな出来事が降りかかってくるなんて!くーちゃんの恋愛沙汰を聞くなんて初めてで思わず浮き足立ってしまいそう。これからどうなるのか分からない。もしかしたらくーちゃんの意地っ張りが過ぎて色々な面倒が起こってしまうかもしれないけど、それすら少しだけ楽しみって思うなんて私って実は性格が悪いのかも。でも実際に起こったら凄い心配になっちゃうから、そこはくーちゃんに素直になって貰うことで何とかする事にして。

(くーちゃんが人の事を“鬱陶しい”とか“うざい”とか以外で形容するのって珍しい)
(女の子なんて尚更)
(これはもしかしてもしかするのかも、なんて)

とりあえず私はこの事を瑠華ちゃんに報告すべく、足早にくーちゃんの部屋の前から歩き出した。




3回だけ の大きなお世話



(この日から、私は2人に関して3回だけ余計なお世話をする事に決めた)
(まず今日が1回目)

(でももし叶うなら)
(残り2回は起きないでほしいなぁ)








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