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ゆめを見るユメを視る

某掲示板サイトでの我が家の阿呆共のどーでもいいお話。

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ただ甘いだけのキャラメルに噎せ返りそうだわ。


いつぞやか蜜樹ちゃんとアリス組についてお話をした時に、
クリスがヤンデレ化するというネタがあって、滾った故に勢いで書いてしまったブツです^q^






私の名前はクリスタル・ワンダーミラー。
皆にはおとぎ話に出て来そうな名前ね、とよく言われるけど、私は別に嫌いじゃない。
寧ろクリスタルなんて綺麗な宝石が名前なのは嬉しいし、ワンダーミラー家ってちょっと神秘的。

だから私は変な渾名なんかよりも、パパとママがくれた名前で呼んで貰いたい。


なのに。 


愛しい愛しい彼は、私の事を“アリス”と呼ぶ。
どんなに“クリスと呼んで”って願っても、聞く耳持たずに“アリス”と呼ぶ。

私はアリスなんかじゃない。
確かに姉はいた。でもまだ結婚する前に母を殺して死んでしまった。
確かに白ウサギが目の前を過った事がある。でもそれは幼稚園から逃げ出した兎だった。
確かにご近所に面白い双子はいた。でも性別は2人共女だった。
確かに一匹狼な猫に懐かれた。でも決して道案内なんてしてくれなかった。
確かに私がいた国に女王様はいらっしゃった。でも殺戮を繰り返すような方じゃない。

私はアリスなんかじゃないの。
ここは不思議の国なんかじゃないし、鏡の国でもない。
じゃぁ、何で彼は私を“アリス”と呼んで疑わないのかしら?

悩んで悩んで、鏡の前に立つ。
目に入るのは、鮮やかな水色と汚れ1つない白のコントラスト。

(———あぁ、そっか)

これか。
彼が私を“アリス”と呼ぶ理由。
頭を飾る水色と白のボーダー柄のふんわりとしたリボン。
水色の下地にフリルが散らばる白が重なったエプロンドレス。
足下を彩るリボンが縁取られている空色のような少し低めのパンプス。

意識せずとも思い出される印象。
幼い頃に“彼”が何度も聞かせてくれた「不思議の国のアリス」に出て来る彼女と一緒。


嗚呼、敵はこんなにも近くに潜んでいたのね。


近くのハサミを手に取って、舐めるように刃を眺めてから服の裾に刃を差し込む。
じょき、じょきり。
最初は耳煩い音も、段々と綺麗なハーモニーに聞こえて来る。何て綺麗な音なの!

服なんてもうボロボロにしてしまおう。それこそ女としてはとても醜い程に。
彼が沢山撫でてくれた髪も、もう要らないわ。だって彼は“彼”じゃないもの。
パンプスも踏み潰してしまいましょう。リボンは噛み千切って咀嚼して飲み込んで。

ああ、鋏を扱うのってこんなに楽しかったのね!彼が手芸好きな理由、少し分かった気がするわ。
あらあら、鋏の刃が真っ赤なのは何故かしら?
あぁ、間違えて指先や腕を切ってしまったのね。白に散らばる赤がなんて綺麗な事!

ふと顔を見て、鏡を見る。
そこにはあら不思議、さっきまでの私とは大違い!
水色は濁った紫もどきの色に。白いフリルは赤いフリルになっちゃった。
耳下辺りで散切りになっている髪の毛先はなんて粗くて痛んでいるのかしら!

何て醜い私!
でも、これで“彼”は私を“クリス”と呼んでくれるかしら?
早く会いたくて会いたくて会いたくて仕方ない!こんなに“彼”が恋しいのも久しい事よ!

「待っててね、……“マッド・ブレイカー”」

こんなに汚い私でも、彼は私を可愛いって言ってくれるのかしら!







キャラメルファッションショー



(血なまぐさい臭いを消す為に、彼が好きなキャラメルを一口)
(そして私は、鏡に真っ赤な鋏を思いっきり突き立てた)


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